猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

拾い上げた街

拾い上げた街は

カタカタ震えていた

終焉を待つように

カタカタ震えていた

 

育まれた闇の質量など

興味もないが

光を同時に育むとなれば

そそられるものがある

 

箱庭にさえ営みがあり

箱舟はなお閑散とし

清箱(*)を磨く日常は

なんと潔く尊いのか

 

拾い上げた街は

カタカタ震えていた

審判を待つように

カタカタ震えていた

 

 

[作者註]

清箱〜便器、おまる