以前、「はじめましてが、おわるとき」という詩集を発表した。
その頃から「はじめまして」とはなんだろう、挨拶を交わした瞬間に終わるのだろうか?などと考え続けている。
はじめて会う。
人でも猫でもいい。よほどの切羽詰まった状況でない限り、ちょっとの緊張感とワクワクとが時間を満たすだろう。
いつもそうだといいけれど、そうはいかないのも命同士のふれあいというものだ。
「はじめまして」は、それ自体がわたしたちを瞬時にすり抜けていく生命体のようなものかもしれない。
そばに存在するのに、気づけば消えてしまう。
だとしても、「はじめまして」がおわるとき、誰もが幸せになっていればいいのに、とわがままに願っている。