空腹で目覚めた。
いい傾向である(詩人さんはお腹が弱い)。
とは言え、キッチンであれこれ始めるには早すぎる時刻。トイレと洗面を済ませ、常温の水を少し口にしても、どこかぼんやりしたままだ。
寝室以外のカーテンを開け、細く窓を開けてすぐに閉める。
そうして、二度寝して体力温存である。
あるときそんなぼんやりした意識の中、防災食というわけではないが、レトルト食品のサブスクに出会った。
スキップも退会も約束されており、商品は家のポストに届けられる。支払い方法も選べるのがありがたい。
物珍しさもあり、契約してみた。ちょっとした外食をするよりもずっとお得なのである。
詩人さんは、普段ほとんど外食の機会がない。
そこへ、月に一度だけ、無添加レトルト食がポストに届く。多すぎて困る、という心配も、家を開けられないということも少なくなる。防災食としても、優れものだ。
空腹を抱えて眠るのは苦にならないほうなので、ほんのり幸せになりながら、また夢の中へと戻っていった。
新しいこと、楽しいことは思いがけない形で目の前に現れる。
苦しいことも…だから、こちらにいる間はあれやこれや味わっていこう。