猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

L字型

50メートルほど行くと

道はそこで一度終わって

右折の後左折という指示になっている

アルファベットのLをなぞるように

進むだけの話だ

 

だが

あの日の猫にはもう会えず

地図を広げて一緒に悩んでくれた店員は

知らない街へ引っ越したとかで

あいにく連れもおらず風も吹かずで

ひとり訪れたのはこれが最初で最後

 

明日になれば

道はもうNの形になってしまうから

泣いても笑ってもこれが最初で最後

 

わたしもきっぱり

Oの形になったので

いっそのこと

VやEと待ち合わせてもよかったのか

 

だが

あの日の猫にはもう会えず

地図を広げて一緒に悩んでくれた店員は

知らない街へ引っ越したとかで

あいにく連れもおらず風も吹かずで

ひとり訪れたのはこれが最初で最後

 

本当の最後