2022-07-10 葡萄の匂い 日常光景 つぶれた葡萄の匂いに 目を伏せる 怒号を避けて 陽射しを避けて 押し入れに逃げ込んだ 名をきちんと呼ばれるのは 叩かれる時だけだ それは愛なのだろうかと 今でも思う 本気で聞いてはくれなかったと 今も思う 葡萄を潰して言いがかりをつける そうまでして家族でいたかったのかと 苦く思う