猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

当たり前のこと

不思議を感じることは

大人になれば

消える

 

両親には

そう言いくるめられていたのだが

心の隅では

親であっても嘘はつくのだと

妙に納得したものだ

(親だからこそ嘘をついたと言えなくもないが)

 

不思議を感じることは

大人になるほどに色濃く

鮮やかに訪れる

 

例えば

思いこみ激しく強すぎる言霊の持ち主が

実は人知れず

底無し沼のような悩みを

抱えていたりするものである

 

そのことを知っていて

黙っている狡猾さも

不思議ともなんとも思わず

人は案外当たり前に抱えていられるものである