猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

ある夜

熱帯夜ほどではないが

蒸し暑かった前夜

湿度が理由ではなく

温度が理由でもなく

 

相談したいような悩みもなく

体調もよく

 

寝返りすれば

冷感マットが心地よい

ラジオはいつものように低く流して

 

それでも

わけもなく浅い眠りがくりかえされる

 

久しぶりの会合に興奮はなかった

久しぶりの会話に感動もなかった

なのに

まとわりついた何かが

僕を夢のそとにつなぎとめる

 

久しぶりの会合に後悔はなかった

久しぶりの会話に焦燥もなかった

なのに

まとわりついた何かが

僕を夢のそとにつなぎとめる

 

f:id:Sala-Y:20210529113807j:plain