猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

雨を紡ぐ

雨を描いておけば

なんとか格好がつく

そんな小さな言い訳をしつつ

したり顔で雨を紡ぐ

 

散りばめて

それとは感じさせず

そこかしこに気配を編んで

律を乱し列を汚し

何もかもすっかり台無しにしながら

したり顔で雨を紡ぐ

 

絵空事はより美しく

うつつはより儚く

誰よりずる賢く

したり顔で雨を紡ぐ

 

すでに降らせる雲も

すでに生み出す空も

消え去って久しいのであるが

 

愚かにも

相変わらず雨を紡いでいる

 

 

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