猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

愛の搾かす

高望みせず

それぐらいでもいいんじゃないか

あたしはカスカスのレモンを

齧りながら

きみの横顔を今日も愛でる

 

隣に座ろうが

肌が触れようが

一向に縮まらない二人の距離を

嘆く気にもならず

たまに搾かすほどの

何かが心にぽちゃりと落っこちる

もうそれだけで

じゅうぶんなのだよね

 

ふたりの“そもそも”が

思い出せなくなって

幸せに心が麻痺しても

愛の搾かすはそこら中に満ちている

 

 

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