猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

ある日。

悲しみの感情が

心臓になだれ込む

僕は「ちらり」と横目で見やり

泣くかわりに

眉間にこっそり皺をつくった

 

長く「大人」を生きていると

心のままを表に出せば

不利になることが増えるばかりだ

 

嘘をつくのに疲れても

嘘を生きるのに慣れすぎて

悲しみさえ

他人ごとのように受け流してしまうのだ

 

悲しみの感情が

心臓になだれ込む

僕は「ちらり」と横目で見やり

泣くかわりに

いつもより強くスマホを握りしめた