猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

樹と実

その樹はたしかに

わたしの中で息づき

彩りよくアンバランスに

実をつけている

 

悪意を抱けば鈍色に

祈りを抱けば虹色に

光と闇を往復しながら

根を張るのだ

 

時にかすれ

時に潤い

時に曇り

時に消え去る

 

ゴロゴロと実は落ち

なみなみと心が満ちる

 

その実はたしかに

わたしの中で息づき

彩りよくアンバランスに

わたしとともにある