猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

小瓶

染み込ませたのは

体の隅に眠っていた

したたかさ

小瓶にしっかり封をして

とりあえず

片付けておいたのだ

 

いつか何かの役に立つだろう

そんな予感があったので

とりあえず

 

慎重に封を外し

心の襞という襞に

小瓶の中身をふりかける

あとは

勝手に染み込み育っていくだろう

 

苛立ちの小瓶も

妬みの小瓶も

あるにはあったが

いつの間にか中身が蒸発してしまった

それはそれでよかったのだ

育ちすぎずに何よりであった

 

さて

したたかさが育つまで

散歩にでも出かけることにしよう

きみもどうですか