染み込ませたのは
体の隅に眠っていた
したたかさ
小瓶にしっかり封をして
とりあえず
片付けておいたのだ
いつか何かの役に立つだろう
そんな予感があったので
とりあえず
慎重に封を外し
心の襞という襞に
小瓶の中身をふりかける
あとは
勝手に染み込み育っていくだろう
苛立ちの小瓶も
妬みの小瓶も
あるにはあったが
いつの間にか中身が蒸発してしまった
それはそれでよかったのだ
育ちすぎずに何よりであった
さて
したたかさが育つまで
散歩にでも出かけることにしよう
きみもどうですか