猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

心を診る猫の医者-15(休診日)

気づいてから

そろそろ3ヶ月になるだろうか

 

それまでは

置かれた花びらが

彼より1枚少ないことに

疑問すら抱かなかったし

誰が置いたか確かめもしないので

始まりがいつだったのか

実は知らない

 

ボクと彼との場所が

どこだったとしても

律儀にそれは行われ続けて

つまりは

故意というわけである

 

誰もが見ているその部屋で

繰り返し繰り返し

まるでこちらの出方を観察するように

 

笑ってしまう

傷つけたいなら

もっとあからさまにすればいいものを

 

ただ

とっくの昔に手放したのだ

置かれた花びらを数えるのも

重ねられた印を信じることも

おかげで気楽なものである

 

何しろ

すっかり反対の意味で

花びらを落としていく者も多いのだから

 

さあ

続けるならお好きに

やめるなら今のうち

 

決めるのはそちらさま

 

水の中で

一気に捲し立てると

言霊がブクブクブクと

浮かんでは消えていく

 

ボクはいつか

心を診る猫の医者に会ってもいいかな

そんなことを思ったんだ

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