猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

雨を音で

雨を音でひろう

風の重さでも

窓の滴でもなく

 

気づいたのは

ほんの昨日のことだ

 

雨は音をひろう

街に心に溶けこむために

まるで

幼子のように

無心に音を集めている

 

川はあふれ海は泡だち

雨がいっそう騒がしく

哀しみの深くなる

 

雨を音でひろう

風の重さでも

窓の滴でもなく

 

気づいたのは

ほんの昨日のことだ