2020-07-25 雨を音で 詩人は嘘をつく 雨を音でひろう 風の重さでも 窓の滴でもなく 気づいたのは ほんの昨日のことだ 雨は音をひろう 街に心に溶けこむために まるで 幼子のように 無心に音を集めている 川はあふれ海は泡だち 雨がいっそう騒がしく 哀しみの深くなる 雨を音でひろう 風の重さでも 窓の滴でもなく 気づいたのは ほんの昨日のことだ