花一輪でも何かが変わるから
どんなにすすめられても
習慣にないことは根づきにくく
買っては飽きて
飽きては買い
もらっては枯らし
枯らしてはもらい
そのうち
花瓶もハサミも手放して
結局は
風で倒れてあぶないし
あたしってばマメじゃないんだし
花がなくても生きていけるもの
なんでもない理由を
積み上げるだけ積み上げて
ある日
ようやくほんの少しだけ
花と寄り添えるかも!
心がふと動いて
あろうことか
時を同じくして
一生モノの花瓶と出会い
心得すらおぼつかないのに
花と暮らし
命を育み
幸せをささやかに抱きしめている