猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

だからそのまま

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耳に心地よければ

呪いの言葉でも受けとれそうだ

 

男は後ろ手にドアを閉めてから

ほう、とため息をついた

 

すごくすごく

好きではなかったが

ひどくひどく

嫌いだったことはなく

 

だから

そのままでじゅうぶんだったのだ

 

広がり続ける平行線の幅を

狭くしようとあがいたのは

むしろ相手のほうだろう

 

無駄だとも美しいとも思わず

男はそれを眺めていた

 

耳に心地よければ

呪いの言葉でも受けとれそうだ

 

男は後ろ手にドアを閉めてから

ほう、とため息をついた

 

すごくすごく

好きではなかったが

ひどくひどく

嫌いだったことはなく

 

だから

そのままでもじゅうぶんだったのに