耳に心地よければ
呪いの言葉でも受けとれそうだ
男は後ろ手にドアを閉めてから
ほう、とため息をついた
すごくすごく
好きではなかったが
ひどくひどく
嫌いだったことはなく
だから
そのままでじゅうぶんだったのだ
広がり続ける平行線の幅を
狭くしようとあがいたのは
むしろ相手のほうだろう
無駄だとも美しいとも思わず
男はそれを眺めていた
耳に心地よければ
呪いの言葉でも受けとれそうだ
男は後ろ手にドアを閉めてから
ほう、とため息をついた
すごくすごく
好きではなかったが
ひどくひどく
嫌いだったことはなく
だから
そのままでもじゅうぶんだったのに