猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

偽物ミニマリスト-5

ざわわと騒ぐ心を

どうすれば片づけることができるのでしょう

 

体がなければいいのでしょうか

そうすれば

心の宿る場所はなくなる

 

ああだけど

心だけがさまよい続けることになり

それはそれでずいぶん救いようのない話

 

女はため息をつきました

ほんとのことを言うと

呼吸すら手放したくてたまらなかったのです

 

水に沈んで何も聞こえなくなると

とても身軽になったので

女は自分を手放すことを夢見てやまないのでした

 

 

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