猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

憎らしいと言われないだけましだと

赤子に乳を含ませながら一瞥し

その人は目を釣り上げた

ほとばしる激情をこぼさないよう

そうしているらしかった

 

あたしのこと大事なのかな

愛してくれてるのかな

あたしのこと嫌いなんでしょう

愛してくれてるのかな

 

幼い日

覚えたての言葉と

よくわからない感情を必死であやつり

舌の上にのせた

 

その人は目を釣り上げたまま

赤子に乳を含ませ続けている

1グラムの激情もこぼすまいと

そうしているらしかった

 

 

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