猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

あたしは呼んだ

唐揚げとポテトサラダ

おにぎりは一口サイズを何個でも

味噌汁は豆腐とネギで

大人たちは七味をぱらり

ラジオかテレビを流しっぱ

 

その匂いを

その光景を

あたしは“幸せ”と呼んでいた

思いきり嘘っこの

 

誰も口を開かない

嬉しいとも美味しいとも

しょっぱいね、とも言わない

硬い表情のまま義務のように

お腹に片づけ続けるのだ

 

唐揚げとポテトサラダ

おにぎりは一口サイズを何個でも

味噌汁は豆腐とネギで

ラジオかテレビを流しっぱ

 

その匂いを

その光景を

あたしは“家族”と呼んでいた

思いきり嘘っこの