猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

詩人屋さんと空落ちの星

言葉を編む合間に

少しずつ編んではほどき

ほどいては編み

ふわふわのティペットが出来上がりました

 

むむむ〜ん!

詩人屋さんは本物の猫みたいに

ぐぐぐ、と体をのびのびさせて

ニャァ

と久しぶりに鳴きました

 

ふと

食卓に置きっぱなしのメモに目がとまります

 

気まぐれ旅行
空落ちの星
武勇伝
ヒゲの先焦げ
火傷

 

本当に詩人屋さんの上にふりかかったことばかり

雲予報士のあの子が知れば

目を三角にして叱られてしまいます

やれやれ

詩人屋さんはイカ耳になりました

 

でも

終わったことだものねえ

全ては必要だったんだ

今につながっているんだから

それに…

 

詩人屋さんは

メモをキッチンのコルクボードにとめました

 

あたしはそんなものからも出来ている

空が落ちても星が壊れても

どこにいたってそれは変わらない

 

トーザ・カロット岬に雪混じりの風が吹くたび

詩人屋さんは自分に言い聞かせているのです