猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

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使い回された残酷な言葉が

指に触れて

“お前こそ消えてしまえばいいのに”

少年は思った

 

父から浴びせられ

母からなすりつけられた

カラフルな愛憎は

やがて彼に

心を半分だけ機能し続ける技術を

習得させた

 

使い回された残酷な言葉が

指に触れて

“お前こそ消えてしまえばいいのに”

少年は思った