きみのおかげで
孫は雲予報士としてしっかり歩いている
毛糸はすぐにもつれさせてしまっていたが
気象ごとには昔から興味を持っている子だった
学校が終わったあと
いつの間にか遊びにくるようになって
そのうち
親といるよりも居心地がいい
なんて言い出して
そう
孫の親たちはネグレクトではなく
普通に愛情を注いでいたが
雲を数える資質は持たなかった
それで
岬の毛糸屋でこっそり相談したところ
うってつけの人物がいると
ぼくを紹介してもらったのではないだろうか
きみの耳がピクピクしているところをみると
案外
ぼくの想像も大はずれというわけではなさそうだ
わかってる
孫にも妻にも秘密にしておくよ
ミケにもね