寄り添った月たちを見ていると
ぼくのことを
孫にはどう説明したものか
いつも迷うんだよ
満ち欠けではない気象ごと
そんなことを記した古い文献はそうはない
雪だるまの満月が青く見える人間だって
そうはいない
まさか
自分の孫が雲予報士の
資質を持ちあわせているとはね
早くから君に引き合わせたのも
何か少しでも孫の役に立ちたくてね
窪みを捨てた変わり者でも
ここにいる意味があるのなら
そう思ったわけなんだが
雨は好きでも嫌いでもない
少しだけ寂しくなる
なに
ほんのいっときだけだ
忘れる
すぐにね