猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

蜜柑とだれかの信じたかみさま-5

お前だけが特別だ

面白いやつだ

ついて来なさい


だれかの信じたかみさまは

するんと皮をむき

実を貪り

皮を小さくちぎって

のみこみました


ずっとずっと昔からそうしていたので

だれかの信じたかみさまの褥には

心だけになった蜜柑たちが

つぶれたり消えかかったりしながら

あぶくのように行ったりきたり


すっかり地上の夕焼け色を

作りだしておりました


あなたがいま

大切なだれかと見つめている

夕方過ぎの西の空


一体全体

なんの色なのでしょうね