猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

おしまいのミルク-3

かちんかちんの店で買ってきた

かちんかちんのおしまいのミルク

栗の木べらでやさしくやさしく

混ぜました


膜がはる少し手前で火を止めて

それから少し考えて

きみが教えてくれたあのカフェの

緋色の豆を挽きました

とっておきのcafé au laitを淹れるために


星が壊れかけていても

猫たちのように宇宙(そら)を渡ることもできず

結局は

悲しみと混乱を時々手紙のように書きとめて

あとは

日課の散歩ができる幸せをかみしめながら

ここで生きているのです