今でもあなたのことは
ほんの少しも好きではないけれど
身体中のどこを探しても
かけらすら見当たらないけれど
あなたの存在が
自分の命につながっている事実
当たり前のどうしようもない
誰もが受け入れていることさえ
どれだけ苦しくて
どれだけ疎ましかったか
憎しみが消えても
さびしさすら湧かず
あなたが焼かれてずいぶんたつのに
声も姿も記憶にこびりついたまま
灰色の感情に時折襲われるのです
今でもあなたのことは
ほんの少しも好きではないけれど
身体中のどこを探しても
かけらすら見当たらないけれど
13年の空白を描いた映画が
まるで自分のことのように
思えてならないのです