猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

誰かに届けようとした絵空話を探しながら

壊れかけた星では

音楽も風も絵空のお話も

目の前のコーヒーやスケッチブックほどには

必要とされてないかもしれない


おはようのかわりに

店主はそう切り出した


なるほど

今の僕は猫そっくりの店主の言う通り

そう映るのだろう


それでも手紙を書き

それでも記憶を紡ぎます

星が本当に壊れてなくなってしまうまでには

間に合いそうだから


それからしばらく他愛のない会話を

猫そっくりの店主とのんびり繰り広げ

ハート型のコースターに

飲み終わったコーヒーカップを置いた


きみの好きな緋色の豆の香りが

店内に漂っていた