猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

冬と別れたなんでもない日の午後

ゴロゴロゴロ

嬉しげにのどを鳴らしながら

膝に猫がのぼってくる

風はこんなに冷たいのに

陽だまりはこんなに熱を帯びて

僕はマフラーをきっちり畳んで

膝に置いていた


“好きな場所に好きなだけ好きな人と”


猫にそんなことを言われてみたいものだと

背中を撫でながら

マフラーがうっすら蜂蜜色に染まるのも愛おしく

冬の最後の光に身をまかせて

しばらくぼんやりしていた