気の早い春雷がやってきました
灯りがゆらゆらして
昔もらった手紙みたいです
誰かにもらったはずの手紙は
燃やしてしまったのか
破りすててしまったのか
そもそも手紙なんてもらわなかったのか
春の嵐は
淡い思い出さえ嘘になりそうで
指先がざわざわするのです
気の早い春雷がやってきました
闇がゆらゆらして
昔もらったキスみたいです
誰かにもらったはずのキスは
間違っていたのか
覚えていたかったのか
多分
キスをくれた人も今は
あたしの知らない誰かと
キスを交わしているのでしょう
春の嵐は
淡い恋さえ嘘になりそうで
つまさきがざわざわするのです