猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

誰かにもらったはずのキスを思い出しながら

気の早い春雷がやってきました

灯りがゆらゆらして

昔もらった手紙みたいです


誰かにもらったはずの手紙は

燃やしてしまったのか

破りすててしまったのか


そもそも手紙なんてもらわなかったのか


春の嵐は

淡い思い出さえ嘘になりそうで

指先がざわざわするのです


気の早い春雷がやってきました

闇がゆらゆらして

昔もらったキスみたいです


誰かにもらったはずのキスは

間違っていたのか

覚えていたかったのか


多分

キスをくれた人も今は

あたしの知らない誰かと

キスを交わしているのでしょう


春の嵐は

淡い恋さえ嘘になりそうで

つまさきがざわざわするのです