猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

誰かに書いたはずの手紙を思い出しながら

お元気ですか

星が壊れ始めて

ずいぶんたちました


きみの背中も

きみの声も

すっかり忘れたわけではないけれど

僕は相変わらず

空と海が混ざり続けるのを

ここで眺めています


そう

あのときと何も変わってない


きみの選んでくれたコーヒー豆が

妙に懐かしくなったものだから

今日は反対方向の電車に乗って

小さなカフェに来ています


お気に入りのペンと

小さなレターセットを持って


きみの背中も

きみの声も

すっきり忘れたわけではないけれど

僕は相変わらず

空と海が混ざり続けるのを

ここで眺めています


手紙を書きながら

眺めています