猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

元カレ

お茶ぐらい飲ませてよ

そう言って君は

捨てられずにいた大ぶりのマグを

食器棚の奥からさがしあてる


これ好きだったんだよね

そう言って君は

当たり前のようにあたしの淹れたコーヒーを飲んでる


大好きが湧きだした分だけ

大嫌いも降ってきた

なんてバカバカしい物語の結末


君が帰った後

ふたり分のマグを洗う

ポタポタと涙のように水を滴らせて