猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

噂と三つ目

宇宙語を習いに

猫のところに行ってきたんだが

そこで興味深い話を仕入れてきた


星間の噂で片付けるには

もったいなくてねえ

それであんたに話してるってわけだ


なんでも

小さな青い星では1の月がくるたびに

どんちゃんどんちゃん大騒ぎするらしい

もちろん

静かに1の月を迎えるものも多いのだろうが

こういうことは大抵

にぎやかな話のほうばかりが目立っちまう


噂ってのは

そんなもんさね


それはともかく

あたしら三つ目にしても

猫たちにしても

月を12まで数えたらまた1から数え直す

ただそれだけのことなんだよ


そうさねえ

少しばかりうらやましい気もするがねえ

やっぱりあたしらは

また1から数え直す

ただそれだけのことなんだよ


おっと忘れるところだった

毛糸屋の店主が

とびきりのコーヒー豆を置いてった

あんたも持って行きな


お年始とかお年賀と呼ぶものらしい

噂だがね