猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

小さな青い星のこと〜トーザ・カロット岬にて

びゅうびゅうと

耳元で風が鳴っています


もう何週間もしないうちに

氷の粒が混じるほどになるので

その前に


岬の毛糸屋さんから

お知らせが届きました


遠い遠い青く燃えるような

小さな小さな星が

ひときわゆらゆらしています


宇宙語を話す猫によると

「とてもとても昔の炎」

なのですって


何があったのか

どうしてそうなったのか

小さな青い星の運命は

星間の噂にも

たまにしかのぼらないらしく

猫そっくりの店主も

それほど詳しくはないそうです


今夜は闇色の帽子を

目深にかぶって

みんなでそわそわ

小さな青い星の話をしています