猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

愛育

育児書から

集めたばかりの言葉を

やわらかく浴びせられるのは

なんて過酷なのだろう


選び抜いたであろう

硬質な言霊を

温かいうちに手渡されるのは

なんと残酷なのだろう


衝動にまかせて

かけまわれば

許しを請うよりまだマシだと


頑是なげに

こともなげに

言ってのけるのだ


罪深いほど

やさしさにあふれて

戸惑い続けながらも

あなたから命を注がれ

ふつふつと育っていくのだ


さも愛されているのだと

信じ込んで

ふつふつと育っていくのだ