猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

子どもの三つ目

ちっちゃい頃より

空はずっとずっと近くなった

それもそのはず

飛び回ることだって

見おろすことだって

叶うようになった


ちっちゃい頃より

空はずっとずっと近くなった

そのはずなのに

ぼくの背丈が伸びるたびに

空はずっとずっとちっちゃくなった


パパもママも

たくさん愛してくれるけど

空の行方を尋ねると

こわい顔して「シッ!」と言った


窪みから出かけるのは

土砂降りの日に


ただ

それだけを厳しく言われながら

ちっちゃくなる空を見上げるしか

できなかったんだ


満月が雪だるまの形だなんて

誰にも言わないほうが

いいのかな


きっとそうだね