ちっちゃい頃より
空はずっとずっと近くなった
それもそのはず
飛び回ることだって
見おろすことだって
叶うようになった
ちっちゃい頃より
空はずっとずっと近くなった
そのはずなのに
ぼくの背丈が伸びるたびに
空はずっとずっとちっちゃくなった
パパもママも
たくさん愛してくれるけど
空の行方を尋ねると
こわい顔して「シッ!」と言った
窪みから出かけるのは
土砂降りの日に
ただ
それだけを厳しく言われながら
ちっちゃくなる空を見上げるしか
できなかったんだ
満月が雪だるまの形だなんて
誰にも言わないほうが
いいのかな
きっとそうだね