猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

合わせ鏡

切っ先は確かに

相手のほうを向いて

しっかり狙いを定めていました


大切で脆くて繊細で秘匿している

あの部分に

しっかり狙いを定めていました


切っ先は確かに

相手のほうを向いて

しっかり狙いを定めていました


大切で儚くて美しくよそよそしい

あの部分に

しっかり狙いを定めていました


なんとかしてとりあげて

自分だけのものにしてやろうと

躍起になっているのです


合わせ鏡の間に立っているだけなのに

やけに

必死になっているのです