猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

止まらなくなったクシャミ

止まらなくなったクシャミ

陰険な言霊で八方塞がりな小径

ぼくは急いですり抜けたくて

ものわかりのいいふりをする


悲しいドラマに寄り添うより

炎上に加担するより

そうそう目立ちたくもなくて

風の噂を固く信じるふりをする


1000冊の本を指先にのせても

目にする全てをとどめてはおけず

心からも体からもバラバラ抜け落ちていく


止まらなくなったクシャミ

陰険な言霊にからめとられそうな小径

ぼくは急いですり抜けたくて

どこにでもありそうな表情を

頬に貼りつけた