猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

潮汐

水そのものでしかなかったら

ほんの泡立つぐらいで

すむだろう


あたしたちは運悪く

星の粒と水を宿していたので

よろよろ

ふらふら

雲間へ迷いこむ


満ちては欠けて

欠けては満ちて

よろよろ

ふらふら

雲間を流れていく


ただの水であったなら

ただの天体であったなら

普通の何かで

あったなら


願う間もなく

流されていく