猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

秋の朝

秋の朝は

藍色でできています


熱を孕んだ空も

さざめきあっていた海も

すっかりすっかりしんとなって

いつもより深く息をしているのです


秋の朝は

栗色に染まります


歩くひと

走るひと

やっとやっと笑顔になって

いつもより遠い公園を目指しているのです


秋の朝は

薄紫の風が吹いています


泣いてたひと

怒ってたひと

ようやくようやくつかえがとれて

いつもの通りをてくてくいくのです