どす黒い雲が
あたしらの住処まで流れこんでくる
なんでも人が増えすぎ車が増えすぎ
それで雲がもくもく立ち上がるらしい
そんな日の雨からは
やさしさも寂しさも感じることができず
ただただ辛い
仕方ないので
ひとつだけ目を開いておくことに
するんだ
一瞬だけ空が青くなっても
それは見せかけの晴れ間で
すぐにまた
どす黒い雲が
あたしらの住処まで流れこんでくる
あたしら三つ目は雨が好きだ
傘に隠れて歩けば
誰にも知られずにいられるからね
やまなければいい
ほんの通り雨にもそんな願いを
抱いてしまう
だが
このところのどす黒い雲には
あたしらもお手上げなのさ
早く三つとも目をあけたまま
ふつうの雨の中を
ふつうの気持ちで
歩きたいものだねえ