猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

あの頃

言われたんだ

すごく美人さんだねって

悩みなんかないんだろうって


どうにもこうにも苦しくなって

家中の鏡を布でくるんだ

窓にぼんやり映るぐらいで

ちょうどよかった


言われたんだ

ほんとに優等生だねって

いつも正しいんだよなって


どうにもこうにも悲しくなって

歌ばかり歌って過ごした

ぼんやり耳が楽しくなるぐらいで

ちょうどよかった


言い返せなかったんだ

おたがいさまでしょって

笑えなかったんだ

ありがとうって


またまたご冗談を


そんな軽口さえ

苦手だったんだ