猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

たまご

しっぽを揺らして

あなたの隣で盗み見た月は

思いのほか小さくて

まるで生まれたてのたまごみたい


まあだだよ


そんな声が聞こえると

背中を撫でてくれながら

あなたは真面目な顔で言う


雲に隠れた青

消える瞬間の恋に


もういいよ


叫びたかった

ほんとは

生まれたての人間みたいに