猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

生ぬるい風に気持ち乱れて

地下鉄のホーム

生ぬるい風に気持ち乱れて

今年も夏が近いと

思い知らされる


教科書より重いのは

手の中を流れるコトバたちで

暴力的に脳内を染めあげて

突き放してすらくれない


傷つくことは正しいのか

泣くことはずるいのか

本音を漏らす標的を

鵜の目鷹の目探り合い


切れるから縁

切るから縁


だとしても


わずかに絡まったまま

いつか

同じ場所にたどり着く


地下鉄のホーム

生ぬるい風に襟元揺らせて

きみが泣いてた夏が近いと

思い知らされる