猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

プロフ

あの子の独り言を

偶然見つけた

クラスで人気の笑顔のあの子


デジタルな川なんて

似合わない

スマホをさわってるところも

見たことない


そんなあの子の独り言を

偶然見つけた

誰にでも優しくて

陰口を舌にのせてるとこを

見たことなくて


好きな映画と好きな音楽が同じ


移動教室の短い時間に

ふたりで交わした暗号みたいな会話

ふっとため息

そらした視線

舌にのせた醜い言の葉


え?

聞き返すまもなく

あの子はいつもの笑顔に戻ってた


デジタルな川の中で

僕はあの子を見つけた

名前もアイコンも記号だらけだったけど


好きな映画と好きな音楽が同じ


プロフでわかったんだ

醜い言の葉を垂れ流してるのが

誰かってこと


それが僕に向けられているってこと

そして友達に向けられてるってこと

先生

家族

今朝すれ違った知らない勤め人


鍵もかけず3時間

川にずっとその子はいた


あの子の独り言を

偶然見つけた

クラスで人気の笑顔のあの子


デジタルな川なんて

似合わない

スマホをさわってるところも

見たことない


誰にでも優しくて

陰口を舌にのせてるとこを

見たことなくて


一度だってなくて