猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

鍵穴

わたしたちは

みえない鍵を握りしめてうまれてくる

使い方も

扉の名も知らぬまま

ひたすらに鍵がおさまる先を

探すのだ


鍵先が折れ心も折れて

誰かと取り替えたいと願っても

使い方も

扉の名も知らぬまま

ひたすらに鍵がおさまる先を

探すのだ


わたしたちは

みえない鍵を握りしめてうまれてきた

使いみちと扉の名を求めながら

ひたすらに鍵穴を探すのだ