猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

ポータブル壺

わたしは引き抜かれ

さらされる

甘くもなくて

苦くもなくて

すっかり根っこが乾いてる


わたしは引き抜かれ

捨てられる

夢もなくて

涙もなくて

すっかり心が乾いてる


それを拾って罪の壺に

またほうりこんだ


あふれたら

許されるだろうか


ひとしずくの

許しをそこに見るだろうか


壺を食べ尽くして

笑えるだろうか