猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

誕生

はじめましてを

棄てました

あんなに懐いて

可愛らしかったものを


憎くて

憎くて

バラバラにしました


はじめましては

命乞いもしないで

笑って消えていきました


しばらく泣き明かして

空が白くなってきて

はじめましてが

また

髪をなでてくれるのです


痛みにねじれていきながら

それでも女は喜びに満ちて

ささやくのです


“はじめまして愛しいひと”