猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

晩夏のふたり

砂だらけの手足のまま

君の肩越しに見た

空と海

 

砂だらけの体のまま

震えながら君にしがみついた

 

君の腕に爪をたてて

しっぽが大きくふくらんだ

 

かすかに眉を寄せ

君は静かに

“だいじょうぶ”

そう繰り返しては

僕の耳の後ろをやさしくなでた