猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

Moth

思い上がりの鱗粉が

はらはら舞った

 

脱ぎ捨てたかったじぶんは

いつも苦くて

見せかけの

甘い香りがした

 

さみしがりの鱗粉が

はらはら舞った

 

つなぎとめた時間は

もっとあからさまで

見たことのない

空が広がった

 

きらきらの鱗粉が

はらはら舞って

羽音はやがて

温風(あつかぜ)に隠れた