猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

罪滅ぼし

たまに、コンビニのおむすびを買う。

帰宅が遅くなったとき。あるいはとてつもなく早く出かけねばならない朝。

あるいは、気まぐれに立ち寄ったついでに。

 

昔、近所にうどん屋さんがあり、おはぎとおむすびを売っていた。

なんとなく気恥ずかしくて、おむすびを買ったことはなかった。だが、思い出したように「買う」のは、その頃の夢を叶えているのだろうか。

 

あの日には戻れない。戻りたいとも街を訪れたいとも思わないのに。

 

今日はどこにも出かけず、とびきりの米でご飯を炊く。

そして、自分で作ったおむすびを頬張る。

過去への罪滅ぼしにも似た心持ちで。