たまに、コンビニのおむすびを買う。
帰宅が遅くなったとき。あるいはとてつもなく早く出かけねばならない朝。
あるいは、気まぐれに立ち寄ったついでに。
昔、近所にうどん屋さんがあり、おはぎとおむすびを売っていた。
なんとなく気恥ずかしくて、おむすびを買ったことはなかった。だが、思い出したように「買う」のは、その頃の夢を叶えているのだろうか。
あの日には戻れない。戻りたいとも街を訪れたいとも思わないのに。
今日はどこにも出かけず、とびきりの米でご飯を炊く。
そして、自分で作ったおむすびを頬張る。
過去への罪滅ぼしにも似た心持ちで。